オリーブの栽培方法には、実生、接木、挿し木、株分け、取り木などの方法がありますが、現在オリーブ園では最も能率的な緑枝挿し育苗法によって苗木生産を行っています。

その育苗法とは、簡易ビニールハウス内で12月~1月に密閉挿しするもので、4月に苗床に移植して1年間育成した後ポット苗として出荷しています。
挿し穂は結果枝頂部の1年生枝を約15cmの長さに切り、成葉4枚程度を残して下葉を除き、発根促進剤に浸した後挿します。
床土にはパーライトを用い、挿し床の温度は約25℃に保ちます。飽和湿度を保つよう2~3日に1度適宜潅水します。
挿し穂が発根し、外気温が上がる4月下旬から5月に露地の育苗場に移植します。挿し木はその他の時期でも行えますが、湿度と温度管理をしやすい冬場が中心となっています。


根の発育を良好にするために、植え穴は1ヶ月ぐらい前から準備が理想です。
植え穴は出 来る限り深く広く掘り、掘り上げた土に石灰、堆肥等を混和して埋め戻します。

植え付け距離は、品種及び土地の肥沃度等により調整が必要ですが、基本的には若木時代は株間を3×5mとした計画密植にしておき、樹の成長に合わせて適宜間伐を行い、6×5mとします。

植え付け時期は、新梢の出始めるまでの春(3~4月)が最適時ですが、当園ではポット育苗されているので盛夏及び厳寒を除けば周年植え付けができます。
また、早期に成園化したい場合は、3年生苗等の大苗を用います。

植え付けに際しては、深植えにならないように注意が必要です。オリーブの根は非常に脆く折れやすいので、倒伏防止のため支柱を立てて主幹を固定します。植え付け後には充分に潅水を行い、新梢の初期生育を旺盛にするために乾燥を防ぎ、併せて除草を行います。

整枝・剪定は原則として春先に行います。オリーブの樹は日光を好みますので、樹全体に陽が当たるように整枝します。放任しておくと10m以上の大木になり、収穫や管理に手間がかかりますので、樹の高さを3~5mぐらいに抑えるようし、剪定は徒長枝や密生枝、衰弱枝を適宜に切除し、樹冠内部にまで日照が届くように配慮します。
風によるすれ傷果の発生を軽減させるためにも密生枝の間引きは重要です。

オリーブは乾燥に強く潅水は不必要に思われがちですが、夏季乾燥時に10日間隔で20mm程度の潅水をすれば果実肥大に顕著な効果があり収量の増加に繋がります。

特定商取引法に関する表示
プライバシーポリシー
★★トップページへ★★
表示モード: スマートフォン PCサイト